西陣織が誇る絢爛豪華な文様を再現するために欠かせないのが、色。
それぞれ個性を持つ天然繊維を相手取るため、思い描いた色を再現することも職人の技量が試される大きなポイントでもあります。
染色の前に、天然繊維の不純物を取り除く精錬という過程を挟みます。染色はこの段階から始まっているといっても過言ではなく、染めの内容は原料となる生糸の特徴をもとに適切な精錬方法を選ぶのです。
精錬が終わればいざ染色作業へ。
色の調合自体は機械化が進むものの、見る角度や光の具合によっても思い描いた色を再現する「色合わせ」はまさに職人技。
いつどこでみても美しさを放つ西陣織の色彩には、技術と経験、そして知恵が詰まっているのです。